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かわさきマイスター紹介

金属製品塗装技能士  堀切 義昭さん

お客様の要望に応える塗装を

堀切義昭さんが工場2階の事務室で、小さなテーブルに置いた写真帳のページをめくりながら語ります。「お客様の要望に応えられるようになりたい、お客様の要望をこなせるようになりたいと思いながら、この仕事をしてきました」。日々進化する高度な塗装の技術が求められる消防車やゴミ収集車など特殊な車両はじめ、これまでに手がけたさまざまな塗装作業の様子を紹介した1枚1枚の写真は、かわさきマイスター堀切さんの卓越した金属製品塗装技能士としての仕事を示していました。
プロフィール
堀切 義昭(ほりきり よしあき)さん

大学卒業後、1964年(昭和39年)に、父の忠義さんが創業、経営していた堀切塗装工業所へ入社。塗装技術を本格的に習得しようとしたのは入社以降だった。難しい学科、実技試験がある国家資格の金属製品塗装技能士1級を30代で取得。耐塩害、耐化学薬品、耐放射線、抗菌・脱臭・防水など日々進化している塗装について研究し、技術・技能の向上に取り組んでいる。1991年(平成3年)から神奈川県金属塗装技能検定委員、1996年から中央技能検定委員、2002年からは神奈川県工業塗装協同組合技術委員長を務める。神奈川県東部総合技術校や外国人研修生基礎級講習会、川崎市の中学生に対する指導など後継者育成にも力を注いでいる。
平成23年度認定かわさきマイスター。
川崎区在住。有限会社堀切塗装工業所経営。
これは、堀切さんの技能を紹介する動画です。クリックしてご覧ください。

堀切さんについて教えてください

始めるきっかけは何でしたか?

工場が自宅敷地内にありましたから、小さいころから塗装の仕事を見ていました。小さい子は車が好きですからね。子どものころ、いつも友達と遊びながら工場に入ってくる乗用車、消防車、パトカーなどいろんな車を興味津々と見ていました。
工場に入って来たときは、色褪せて、デコボコだった車がだんだん形を整えていって、そして塗装され、きれいになって工場から出ていく。この様子を見ながら、すごいな、すごいなと思いました。(車の姿が)工場に入って来たときと、出て行くときの差がとても大きいのです。それから、塗装の仕事に興味をもつようになり、塗装の仕事をするきっかけになりました。

やっていて一番面白いと感じることは何ですか?

一番面白いこと? うーん…。自分で思い描いたとおりに塗り上がった時や、難しい色の調色がスムーズに作れたときなどに、塗装した車がどこへ行くのだろうかと思いながら仕事をしている時間ですね。
塗装という仕事は、誰が見ても出来がいいかどうかわかりますよね。そういうこともあって、その都度その都度、1台1台、一生懸命、仕事をしてきました。自分の塗装した車は一目でわかります。地方に行って自分が手塩をかけた色の車を見たときは、うれしかったですね。
塗装を終えてから、もうちょっと、ここのところをこうすればよかったかなとか、いつも思います。手をかければかけるほど、綺麗になるのが塗装の仕事です。お客様の要望に応えられる仕事ができるようになっていくことに、やりがいを感じています。

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来たのはなぜですか? (他の道に行こうと思わなかったですか?)

そうですね、やはり塗装という仕事が好きだったのが長く続けられてきた要因の一番です。子どものころ親から仕事を手伝ってくれといわれたことはありませんが、仕事をしている親の背中を見ながら育ちましたので、自然と塗装の仕事が好きになったのでしょうね。

苦労したことはありますか?

どんな仕事も同じですが、仕事は楽ではありませんね。
ダンプの仕事では、ダンプを自分の居間のようにして乗っている人の注文はとてもきついですね。車体に自分の顔が映るように、見映えのある塗装の要求に応えなければなりませんから。
大きな車や消防車のような特装車はいろんな形があり、手間がかかります。とくに消防車の塗り替えの場合、大変苦労します。ナンバーも含めて部品を一つひとつはずし、塗り上げて、元のように組み込みます。かなりの数の部品ですから、もし順番を間違えて戻すと大変なことに鳴ります。裏側や狭いところ、そして細かいところは、自分ではきちんと塗ったつもりでも、他人が見ると塗れてないことがあります。いろんな人によく見てもらって、やり残しのないようにしています。塗装・塗厚を均一に塗り重ねをする塗装仕様はとても神経を使います。例えば、放射線を扱うものの塗装は苦労します。放射線についてはまだよくわかりませんが、放射線が当たる金属はもろくなるので、それを防ぐためにミクロ単位でていねいに塗り重ねます。とても手間がかかる仕事です。
ただ、こういう仕事ほど、やり終えたときは、達成感がありますね。

自分が誇れる、自信のある卓越した技能を教えてください

これまでに、乗用車やトラック、タンクローリーは当然のことですが、特殊なものでは消防車を随分やらせてもらっています。消防車は消防署の方たちがいつもピカピカに磨き上げているので、私が塗装してから「なーんだ」と思われないようにしなければならないこともあってなかなかきつい…。警察パトカーやゴミ収集車の仕事もしています。
羽田空港へ行ってジェット機のB737も塗装しました。飛行機は飛んでいるうちに塗装がはがれるのです。建物の4階ぐらいのところへ上がっての仕事でした。B737から離れて自分の塗ったところをみたら、ちょっとだけでね。このときB737が、いかに大きいかを実感しました。ミサイルの発射台も塗ったことがあります。

自分の手がけた仕事に対してのクレーム率の少ないのが誇りです。それが私にとって一番の誇りです。特装車両を丸ごと専門に塗装をし、お客様の要望に応えるため、多種多様な塗装を行っているところは神奈川県内でも少ないと思います。私が長年かかって身につけた技術、技能にマル秘のものはありません。とにかく、手を抜かず、お客様の要望に応えるように仕事をしなければとの思いで続けてきただけです。

ものづくりについて教えてください

ものづくりの魅力を教えてください

私の場合、日々いろんな車、いろんなものに出会い、塗装の仕事をしています。毎回、仕上がりが違います。とても変化に富んだ仕事をしています。それが、私の仕事の魅力です。

かわさきマスターに認定されて良かった点を教えて下さい

改めて(塗装の仕事を)やってきて良かったなと思います。また、技術を継承していかなければならないと改めて痛感しています。川崎の匠の最高峰として認めていただいたので、マイスターとして次の段階、一段上のものをめざすようにしなければと自覚しました。

後継者を育成するため、何に取り組まれていらっしゃいますか?

後継者の育成はどの業種も悩み、苦労していますよね。私の業界もそうなんです。私の息子二人(義和さん、義倫さん お二人とも金属製品塗装技能士)が3代目として仕事をしてくれるようになりました。
取り組みとしては、技能検定委員とか神奈川県東部総合技術校などで後継者を育成するため指導をしています。また、外国人向けの技術指導や川崎市の中学生対象のものづくり体験学習での指導も取り組んでいます。

これから「ものづくり」を目指す方たちへアドバイスをお願いします

どんなものでもよいですから興味をもったら何でもやってみることです。いろんなことをやってみて、自分の合うものを見つけ出せばよいのです。そうすれば次の世界が見えます。自分の進む道が見えてきます。
塗装の仕事の場合、基本に忠実にやることです。いい加減な仕事をすると、きれいに仕上がりません。一つひとつの工程をしっかりやっていくようにし、汚れているものをきれいにすることを心がければよいのです。

最後にこれからの活動について教えてください

塗装という仕事は手をかければかけるほど、きれいなものになっていく。この面白さ、魅力を広く知ってもらうようアピールをしていきたい。アピールのできる場がもっとほしいですね。
子どもたちに塗装の仕事について理解を得られるようにするための活動として、ものづくり体験学習、職業体験学習を行政、地域の方たちといっしょになって取り組んでいきたい。機会があれば、私も体験を話して、少しでも子どもたちに塗装の仕事に興味をもってもらうようにしたいと思っています。

ありがとうございました。堀切さんは学校や組合の技術指導のほかに、各種検定委員、技術委員長など、幅広い社会活動を行っています。特殊分野の技術・技能の研究を積み重ねると共に技の継承と教育に積極的に関わっています。

川崎市の技能者や職人の皆様を紹介する映像番組「The 職人魂」でも、紹介されました。

【問合せ先】  
有限会社堀切塗装工業所


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