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かわさきマイスター紹介

フラワー装飾 都倉 正明さん

「もっともっと、いろいろな行事・場所でお花を飾ってほしい」

花の専門店を田園都市線の宮崎台駅前で経営する都倉正明さんは、「技術と新鮮」をモットーにフラワー装飾の魅力を広めてきました。親の代からの花卉生産で蓄積した生花を扱う知識が、その技能に生かされています。98世界らん展フラワーデザイン部門で最優秀賞に輝きました。業界の役員として後継者の育成にも力を入れており、生涯現役で作品に挑戦しています。
プロフィール
都倉 正明さん

川崎市生まれ。祖父の代からの花卉栽培農家に育ち、子どもの頃から花になじむ。都内で生花店を営んでいた父、兄の仕事を手伝いながら花の栽培や管理を学ぶ。戦後、同じく生花店を営む宮崎台の都倉家に婿入りし、都倉生花店を継ぐ。1級フラワー装飾技能士。平成13年度、卓越した技能者(通称「現代の名工」)表彰。かわさきマイスター平成10年度認定。神奈川県卓越技能者。(社)日本生花商協会会長
宮前区在住。都倉生花店経営。平成19年度黄綬褒章受賞。
これは、都倉さんの技能を紹介する動画です。クリックしてご覧ください。

都倉さんについて教えてください

始めるきっかけは何でしたか?

子どもの頃から花に囲まれて育ちましたので、将来は花に関係した仕事に就きたいと思っていました。縁があって同じ生花業の都倉家に婿入りし店を継ぐことになりましたが、花の技術は実家の父や兄から教わりながら、自分でも花の卸市場で勉強したり、生け花の師匠についてお座敷で稽古したこともあります。この辺りは昔から花の生産地で、私の父もここで花卉栽培を行っていました。自然の成り行きで花屋になってしまったようですね。

やっていて一番面白いと感じることは何ですか?

お店で花束用の生花を選ぶ都倉さん。
お店で花束用の生花を選ぶ都倉さん。
やってみると奥が深いことがよくわかりました。お花を売るにしても、ただポンと売るのではなく、お客さんとの対話が大切です。その花をお客様がどういう用途で買われるのかを聞き出し、それに沿ってお花を選びアレンジしていきます。つまりお客様の要望をどのポイントで押えるのか、ここですね。逆に、ある人の誕生日に独創的に花をアレンジしてお届けした時、大変喜ばれたこともありますが、これはこれで自分独自の技量が認められたのだとうれしくなります。冠婚葬祭、人の暮らしに花は付き物です。その、どの用途に対しても、常に新鮮で長持ちするお花を提供して、お客様に喜んでいただけるのが最上の喜びですね。

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来たのはなぜですか?

「花が好きで、自分で努力して技量を磨いてきました」。
「花が好きで、自分で努力して技量を磨いてきました」。
花が好きで、自分で努力してきた結果だと思います。ある時、神棚に捧げるサカキを作る作業を教えてもらおうと父親に尋ねたら「見ていれば分かるだろう」との一言でした。具体的なことは何も教えてもらえず、それ以来、人の仕事を見て覚えることの大事さを学びました。お花教室でも自分で覚えようという真剣味のない人は上達しませんね。

苦労したことはありますか?

「早く私を選んでくれないかな」 売り場に飾られた花たちがつぶやいているようでした。
「早く私を選んでくれないかな」 売り場に飾られた花たちがつぶやいているようでした。
花の性質を見て、管理することの難しさを知りました。相手は生き物ですから、無理押しはダメで、生産技術をきちんと覚えることに力を入れてきました。昔は季節の変わり目ごとに、それぞれ旬の花を飾るのが当たり前でしたが、今は四季がなくなったように感じます。それに輸入物が増えたことが残念です。花は日本で育ったものが一番で、産地表示をするように運動しています。
 また、展覧会・コンテスト・品評会等の審査の採点をするときに疲れます。最終的には自分の知識で決断するようにしています。

自分が誇れる、自信のある卓越した技能を教えてください

季節の花をアレンジし、プレゼント用の花束を作る都倉さん。
季節の花をアレンジし、プレゼント用の花束を作る都倉さん。
生産者の特別な技術である木物の枝折作品、花職人としての作品等数々の賞もいただきました。
花の装飾は色の取り合わせや目的によって、さまざまなつくり方があります。今は統一したスタイル(カタログ)の商品が多いですが、私は自分の自由な発想でアレンジするのを主義としています。例え決められたスタイルを取り入れるにしても、必ず自分流の応用を加えていくようにしています。
よくある話ですが、母の日のプレゼントに幾つも同じものが来てしまったということがありますね。それぞれ別の店で買ったのでしょうが、みんなパターン通りにアレンジされているからです。花屋さんがもっと勉強して、贈る人それぞれの個性を出す工夫が必要なんです。

ものづくりについて教えてください

ものづくりの魅力を教えて下さい。

1枝1枝、丁寧に切っていきます。
1枝1枝、丁寧に切っていきます。
フラワー装飾は、なんと言っても人に喜びを与える行動だというのが最大の魅力でしょう。どんなものづくりにしても、やればやるほど奥行きが深いことに気づきますが、究極的には「あの人がつくった花が欲しい」と言われるような存在になりたいものです。自慢ではありませんが、私にもファンがいまして名指しのご注文も結構多いのです。日ごろの、一本でも余計に差し上げたいというサービス精神のお陰ですかね。

かわさきマイスターに認定されて良かった点を教えて下さい

いろんな職種の人と出会えるようになったのが良かったです。洋服屋さんとか経師屋さんとか、これまであまり縁のなかったプロの方たちとのつながりができ、違う世界の技術を知ることで勉強にもなります。できればお互い、技能の交流みたいなことができればいいですね。“お墨付き”をいただき、お陰さまで、お店のお客様も増えたようです。

後継者を育成するため、何に取り組まれていらっしゃいますか?

愛用のはさみと匠の手が、まるで一つのように動いて枝を整えていきます。
愛用のはさみと匠の手が、まるで一つのように動いて枝を整えていきます。
娘(都倉八重子)が跡を継いでくれていますが、こちらから特に後継者を意識して教育した覚えはなく、自分から率先して勉強し、いろいろ知識や技術を修得したようです。賞をもらったりして、ますます向上心が沸き、今では父親以上の腕前です。逆にこちらが学んでいることが多いですね。強いて言えば、「花への関心」が親譲りでしょうか。

これから「ものづくり」を目指す方たちへアドバイスをお願いします

生花を現代風にアレンジするフラワー装飾は、経験の積み重ねが大事だといいます。
生花を現代風にアレンジするフラワー装飾は、経験の積み重ねが大事だといいます。
同じ花という素材を使うにしても、フラワー装飾と生け花は基本的に違います。容器を選ばず、どちらかと言えば現代風にアレンジするフラワー装飾に対し、生け花は流派によって使う花が異なり、生ける器も決まっています。若い人はフラワー装飾を「きれいだから、ちょっとやってみよう」と気軽に始めますが、結局は失敗するケースが多いです。いずれにしても勉強し、経験を積み重ねることが大事ですね。

最後に、これからの活動について教えて下さい。

完成した花かごと都倉さん愛用の道具。
完成した花かごと都倉さん愛用の道具。
まずは、お店での対話販売の充実。もっともっとお客様との会話を膨らまして、一層喜ばれるお花の提供をしていきたい。次いで、生け花の普及。日本古来の和の伝統を復活し、暮らしの中にわび、さびの趣を取り戻したいと考えています。3つ目は若い人の指導。いろいろな会合、講習会に出て花の魅力を伝えていきたいです。私自身も若い人の発想を否定しないで、お互い切磋琢磨しながらの関係で向上していきたいと思っています。
最近は男性客も増えましたが、男の人が花束を買うと、せっかくきれいにラップしたのに、中が見えないように上からさらに包んでくれという人が多いです。大の男が花束を抱えて歩くのは恥ずかしいという意識でしょうが、ちょっと変ですね。かつてライオンズクラブにいた頃、男の人に花を届ける運動をしたことがありますが、いまだ日本では男性から男性に花を贈るのはあまりないです。お花は人を選ばす、場所、時を選ばずで、もっともっといろいろな行事で花を飾ってほしいですね。

どうもありがとうございました。
親の代から、持ちのよい花を提供することを顧客へのサービスの基本として、生花店を経営する都倉さん。日本の伝統的な花き装飾技能である「わび」、「さび」の表現方法を尊重し、生け花の復活・普及を提唱しています。

川崎市の技能者や職人の皆様を紹介する映像番組「The 職人魂」でも、紹介されました。

おしゃれなファサードが人目を引く都倉生花店。明るいウィンドー越しに店内のお花が手に取るように見えます。
おしゃれなファサードが人目を引く都倉生花店。明るいウィンドー越しに店内のお花が手に取るように見えます。
【問合せ先】  
有限会社 都倉生花店

■所在地      宮前区宮崎2-11-1
■電話    044-877-6333
■FAX     044-877-6333
■営業時間  10:00~20:00
■休み    なし(年中無休)
■HP          http://www.tokura-croatia.com/shop/
■e-mail      master@tokura-croatia.com