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かわさきマイスター紹介

美容師(編み込みヘアデザイン) 三上 峰緒さん

女性のおしゃれ心を満たす「夢のヘアスタイリング」編み出す

三上さんは美容師界の草分けであり、第一人者として多くの美容師を育てて来ました。特に日本古来の礼法をルーツに創案した編み込み技術を「夢のある編み込み」として、独自のヘアスタイルを生み出しました。全国で講演会を開き、また、カナダExpo‘86協賛イベント出演、中国でヘアショーを開催するなど、国内外にわたり技術の普及に積極的に取り組む一方、後進の育成指導にも力を入れています。
プロフィール
三上 峰緒さん

東京都(新宿)生まれ。戦前、都内の陸軍駐屯地でタイピストとして勤務。昭和20年、終戦とともに小石川で開業していた親戚の美容室に入る。住み込みで2年間、見習いをしながら美容師の試験に合格したのを機に、友人が登戸で新規開店する美容室に転籍。28年独立し聖蹟桜ヶ丘で開業。38年火災で店が焼失し、その後、現在地に新たな美容室を開店し現在に至る。全日本美容講師会常任師範。かわさきマイスター平成14年度認定
多摩区住在。美容室エルモア自営。 
これは、三上さんの技能を紹介する動画です。クリックしてご覧ください。

三上さんについて教えてください

始めるきっかけは何でしたか?

これは装飾用の編み込みデザインです。鳳凰という想像上の鳥をイメージしたファンタジックな作品です。
これは装飾用の編み込みデザインです。鳳凰という想像上の鳥をイメージしたファンタジックな作品です。
「エルモア」を開店して間もなくの頃、たまたま見ていたテレビにスワヒリ・スタイルの黒人女性が映っていました。この時、この黒人特有の編み込みスタイルが鮮烈に私の目を捉えました。同時に「編み込みスタイルが日本でも流行るのではないか」という考えがひらめいたのです。直感とも言える衝動にかられ、編み込み技術の勉強を始めました。どんどんのめり込んで夢中になって修得していったのですが、従来の編み込み技術のように髪を編み込むだけでは面白みが続きません。既成の髪飾りを添えても夢が広がらないと漠然とした不満がだんだん強くなっていきました。そんなある時、日本古来の礼法で教えを受けていた包み結びに使われている水引や組み紐の飾り結びをあしらってみたら、それが編み込みスタイルにとてもマッチすることを発見したのです。「これだ!」と、わが膝を打ちました。
編み込みに夢中になりだした昭和40年ごろ、私の美容室の2軒隣りに日本古来の礼法の研究所が引っ越してきました。先生には美容講習会のゼミで教えを受けたのを縁に、それまでにも個人的に日本古来の礼法の手ほどきを受けており、水引や組み紐を使った飾り結びの美しさに魅せられていたのです。近くに来られたのを機に一段と礼法の稽古に熱が入りました。かたや、水引の結びと紐結びに表された伝統の意匠と礼法の心を、編み込みスタイルにどのように生かしたら現代のヘアファッションにマッチするか猛烈に研究しました。教えてくれる教科書はどこにもありません。一つひとつ自分で試作し納得しながら、水引や紐の飾り結びをヘアスタイリングに応用する新しい編み込み技術を創り出していきました。そして創案した編み込み技術を「夢のある編み込み」と名付けたのです。

やっていて一番面白いと感じることは何ですか?

「夢のある編み込み」を創案した三上さん。その原点は中国古代からの思想を根源とする日本古来の礼法です。
「夢のある編み込み」を創案した三上さん。その原点は中国古代からの思想を根源とする日本古来の礼法です。
中国古代からの思想を根源とする日本古来の礼法の伝統と現代美容のマッチングで生まれた「夢のある編み込み」は、美容室の営業向けスタイルにも、あるいはファンタジックな装飾ヘアづくりにも創作意欲を燃やすことができ、やっていて非常に面白いと思います。陰と陽のバランスを考えながら創作していく楽しみ、これは普通の美容では味わえない大きな魅力ではないでしょうか。

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来たのはなぜですか?

三上さんが編み込みの実践技術を解説した著書「夢のある編みこみ」の表紙。
三上さんが編み込みの実践技術を解説した著書「夢のある編みこみ」の表紙。
「夢のある編み込み」は、日本古来の礼法を抜きにしては成り立ちません。ここまで到達できたのは、その礼法の包み結び水引や組み紐の結びに興味を持ち、独自の創作も加え大胆に、そしてその心を生かすことに専念してきたからです。そして何よりも、美容が好きだからこそできたことだと思います。日本古来の礼法は長い年月を通して、社会人としてあるべき個人の姿を教え続けてきました。しかも、立ち居振る舞いから心の中に至るまで、“美しさ”を作法の基準としています。美しさを基準にした礼法は、美容師の仕事にぴったり当てはまるものがあると信じ、編み込み技術の修得に邁進してきました。日本古来の礼法という支えがあったから、夢のある編み込み技術を創作できたと思います。

苦労したことはありますか?

慣れた手さばきで編み込みを仕上げていきます。どこかで見たような結びが印象的です。
慣れた手さばきで編み込みを仕上げていきます。どこかで見たような結びが印象的です。
かつて美容師の指導育成に当たる師範講師の大会で、音や喜び、悲しみなど喜怒哀楽を絵に表現しなさいという難しい課題に挑戦したことがあります。 “怒髪”という言葉があるように、事象や人の感情をヘアスタイルに取り入れる技量を試されるわけですが、その難題をクリアした後、仕事に対する意識が変わりました。手先の器用さだけではなく、礼法の結びにある陰と陽の立体感ある編み込みを考えるようになったのです。

自分が誇れる、自信のある卓越した技能を教えてください

こちらは川の水の流れをイメージした編み込みヘア「森の妖精」。
こちらは川の水の流れをイメージした編み込みヘア「森の妖精」。
それは何と言っても日本古来の礼法からいただいた三上流ヘアスタイリングです。編み込み技術は一般に、パターンが限定されて変化に乏しいとか、ロングヘアスタイルのアクセント付けに使える程度の技術でしかないと言われることがあります。しかし、私は自信を持って「夢のある編み込み」と名付けました。夢があるということは、広がりがあることです。自在ということです。編み込み技術によって創り出されるヘアスタイルの幅を大きく広げただけでなく、編み込みヘアのイメージそのものも塗り替えることができたと自負しています。

ものづくりについて教えてください

ものづくりの魅力を教えて下さい。

本物を作るということですね。それには本物の中にある基本を学びとることです。基本や原点を修得しないで、自分勝手に作ったのではだめです。

かわさきマスターに認定されて良かった点を教えて下さい

名誉だと思います。ただ、イベントの際にはマイスターの技量が正確に市民の方たちに伝わるような工夫が欲しいですね。

後継者を育成するため、何に取り組まれていらっしゃいますか?

水引の結びを応用したアクセサリー「ゆうずうの風」。
水引の結びを応用したアクセサリー「ゆうずうの風」。
後継者を育てるということよりも、結びの伝統を伝えるため、今でも講師として全国各地を回っています。日本古来の礼法の真髄をもっと多くの人に知ってもらいたいし、美容に携わる人たちにも、もっと編み込み技術の魅力を伝えていきたいからです。自身のことで言えば、息子も同じ美容室で働いていますから、後継者と言えばそうです。お店のスタッフの中にも師範講師の資格や礼法の師範をとった人がいますし、身の周りではそれなりに私の意志は引き継がれていると思っています。

これから「ものづくり」を目指す方たちへアドバイスをお願いします

壁には認定証書や常任師範の委嘱状などが掲げられています。
壁には認定証書や常任師範の委嘱状などが掲げられています。
「夢のある編み込み」は私が長年研鑽して得た、私が創りだした技術であり、新たな創作基本の誕生です。日本古来の礼法の伝書をよく読んで、自分自身で包み結びの飾りに使われている水引や組み紐の飾り結びを図面に描いて覚えてください。私は宗家から学んでいる時、膨大な基本形を全て自筆で書き取って覚え込みました。

最後に、これからの活動について教えて下さい。

昭和40年に「若みね美容研究会」を発足させ、「夢のある編み込み」の研究・普及に力を入れてきましたが、私自身、この技術はまだまだ未完のままです。編み込みヘアを独自領域の美容技術として、さらなる研究を進めていきたいと思っています。

どうもありがとうございました。
髪を美しく飾りたいと願うのは、古今東西、全ての女性の本能です。伝統ある日本作法の精神を取り入れた三上さんの提唱する「夢のある編み込み」は、そんな女性のおしゃれ心を満たす文字通り、夢のヘアスタイリングとして次世代に引き継がれていくでしょう。
【問合せ先】  
美容室エルモア

■所在地   多摩区西生田1-13-5
■電話    044-955-3751
■FAX         044-955-3751
■営業時間  9:00~18:00
■休み    火