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かわさきマイスター紹介

難切削特殊加工 鈴木 貞吉さん

音の聞き分けが、難材を削る精度を高める

鈴木さんは、切削(せっさく)のスペシャリストです。削るのが難しい素材でも、公差±0.01mmの精度で加工します。音で聞き分けるという加工の精度は、長年培った技能がなせる技。勤務される工場にお邪魔して、お話を伺いました。
プロフィール
鈴木 貞吉(すずき さだよし)さん

福島県二本松市生まれ。千葉幕張を経て東京へ移り住む。サンテック株式会社の創立(昭和35年9月27日)に立ち会う。当時は羽田にあるも、平成元年に移転して今の場所になった。平成19年度かわさきマイスター認定の野浦惣一さんとは昭和の終わり頃に出会い、同じ会社に勤務する。
川崎区在住。サンテック株式会社勤務。平成18年度認定かわさきマイスター
これは、鈴木さんの技能を紹介する動画です。クリックしてご覧ください。

鈴木さんについて教えてください

始めるきっかけは何でしたか?

バルブの歴史は会社の歴史
バルブの歴史は会社の歴史
実は、本当は大工になりたいと思っていたんですが、左利きで恥ずかしいと思って大工は目指さなかったんです。
福島で生まれて、千葉に移り済み、そのときは戦車のバルブ専門の会社に勤めていました。軍事製品では精度がとても重要です。
東京に出てくればなんとかなるという思いで、千葉から東京に来ました。バルブからボールねじの時代になりました。それでこの会社の設立につながったのです。

やっていて一番面白いと感じることは何ですか?

私は削るのが仕事です。それが、図面通り決まれば嬉しいです。そのために、最初と最後の工程を丁寧に行います。
そうすればキチッと仕上がります。

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来たのはなぜですか? (他の道に行こうと思わなかったですか?)

私の親は牛の馬車引き(運送屋)をやっていたので、自分も運送屋をやろうかと思ったときはありました。
でも、この世界にずっと身をおいています。それは妻のおかげですね(笑)。大きな病気をしなかったので、長く続けてこられました。
ケガはたくさんしています。勲章だと思っていますが、ケガをしないように気をつけています。

苦労したことはありますか?

約30年前に船で使っていたエンジンバルブ
約30年前に船で使っていたエンジンバルブ
そうですね。図面通りにできなかったときでしょうか。
また、熱に強いものを削るのはとても大変です。
バルブ1g軽いと1馬力余計に出ますので、とにかく少しでも軽くするために削ります。軽くても丈夫じゃないといけませんから、工夫が必要です。

自分が誇れる、自信のある卓越した技能を教えてください

削りにくい材料でも、±0.01mmの精度で加工します。ステライトほど堅いものはないのですが、そのステライトを削っていましたから、大抵のものはできるようになりました。
非常に細かい仕事ですが、大抵は音で判断することができます。目と耳、そして勘に頼ることもあります。
手で触れるくらいの熱さだったら、季節によって音が変わることはありませんので、狂いはありません。

あとは、人には優しくしてきたつもりです。同僚が辞めるとき、「鈴木さんがいてくれたから今まで続きました」と言われたのが、とても嬉しかったです。
手作りの道具がたくさん
手作りの道具がたくさん
いい音色を奏でる鈴
いい音色を奏でる鈴

ものづくりについて教えてください

ものづくりの魅力を教えてください

やはり、自分で考えて作ったものは面白いですよ。
難しいものほどやる気が出ます。
バルブだけではなく、技術を活かして、ノベルティや新しい商品にも取り組んでいます。
ペンダントにもなりそう
ペンダントにもなりそう
朱肉付きの印鑑ケース
朱肉付きの印鑑ケース

かわさきマスターに認定されて良かった点を教えて下さい

私個人としては特にはありません。
会社としては、マイスターが2人いるのはプラスだと思います。

後継者を育成するため、何に取り組まれていらっしゃいますか?

弊社の場合は、わからないことがあると新人から聞きに来ます。教えると「ありがとうございます」と、礼儀正しく挨拶します。それ以上に上手くなるか否かは「やる気」だと思います。
この仕事には器用さが必要です。が、それだけでは長く従事できません。上に立つ人が褒めてやること、そうすれば嬉しくてまた頑張ることができます。
一生やっても職人にはなれないと思うんです。上にはキリがない。

これから「ものづくり」を目指す方たちへアドバイスをお願いします

3年続けることができれば、ずっと続けられます。少し嫌なことがあっても、我慢して続けることも必要です。
いまは昔とは教え方も変わりました。若い人にやる気を起こさせるには、頭から言わず、怒らずに褒めることが大切だと思います。上手に人を使うというのは難しいものですね。

最後にこれからの活動について教えてください

組み立てのことを聞きやすいのは、やはり年齢の近い野浦さんです。私は削るのが仕事、野浦さんは組み立てるのが仕事。
分野は違うけど、これからも自分の仕事に取り組んでいきたいと思います。

どうもありがとうございました。
野浦惣一さんと同じ会社ですので、いっしょにお話を伺いました。苦楽を共にしたおふたりは、とても仲がいいご様子で、和やかな時間となりました。

川崎市の技能者や職人の皆様を紹介する映像番組「The 職人魂」でも、紹介されました。

【問合せ先】  
サンテック株式会社

■所在地      川崎区大川町11-13
■電話    044-322-5583
■FAX     044-322-5574
■営業時間  8:00~17:00
■休み    土・日・祝
■関連会社 日の出製作所 http://www.hinode-ss.jp/

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