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かわさきマイスター紹介

洋服仕立て紳士・婦人 只木 角太郎さん

只木さんは洋服仕立ての世界に入って約55年。紳士服と婦人服の双方を手がけます。
アジアやヨーロッパでファッションショーを行い、出展した作品の数は200~250着にも上ります。お客様に合う洋服を仕立てることはもちろんのこと、テーラーの方にパターン起こしの技能を指導することにも労を惜しみません。
プロフィール
只木 角太郎(ただきかくたろう)さん

川崎市幸区出身。高校を2年半で辞めて洋服店6件をまわって修行を積み、婦人服やシャツなどいろいろな技能を覚える。昭和31年、22歳のときに、服装タダキを立ち上げた。ウエディングも、和装を取り入れたものも、デイリーユースの洋服も、あらゆる種類の洋装を扱う。日本デザイナークラブ春夏モードショー優秀賞、神奈川県卓越技能者賞ほか、多数の受賞歴あり。
川崎市幸区在住。かわさきマイスター平成11年度認定。
これは、只木さんの技能を紹介する動画です。クリックしてご覧ください。

只木さんについて教えてください

始めるきっかけは何でしたか?

姉が2人いた影響か、小さい頃から洋服が好きで、親戚の間ではちょっと変わっていると言われたものです。
小学校からお雛様の洋服を作り、中学校の頃には洋服を解体して、色を変えてジャケットにしたりもしました。うちにミシンがなかったので、近くの洋裁店で借りていました。

やっていて一番面白いと感じることは何ですか?

商売を抜きにして、自分の作品を作ったときが一番のときめきです。徹夜で自分の作品を仕上げて、モデルに着せて舞台に送り出します。そして、心の中で人のデザインと競って「負けてない」と思うわけです。
ファッションショーは、演出・構成も自分でやります。洋服は、モデルに合わせて素材と形をデザインするので、着る人が違うと雰囲気が変わります。
デザインは25~30年周期で再来しますので、いま若い方が着ているデザインが、私の手がけたものであることもあります。
オーダー服の利点は、体型の変化に合わせて直し、長い間着られるということです。既製品は2~3年で古くなりますが、仕立てのいい服は、古くなっても新しいのです。

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来たのはなぜですか? (他の道に行こうと思わなかったですか?)

オペラをやりたいと思ったこともあったのですが、3回通ってやめました。やっぱり洋服が好きだと思ったんですね。
長年続けてこられたのは、ショーがあったからです。海外に作品を持っていく、秋にはヤクルトホールで開く、ということが生き甲斐になっていました。
ショーに出すには、小手先ではだめです。15メートル先から見ても大胆に見えないといけません。従って、配色やデザインが重視されることになります。
デザインは、忙しいと思い浮かびません。毎年外国に行ってリフレッシュし、心が開放されるとまた新しいデザインが閃きますので、そういうときには一気に仕上げます。
健康でいることも、ひとつの要素かもしれません。一番多いときは、住み込み8人と通い3人がいました。月に60着も作っていたときもあります。今は少なくなり、それだけ1着をじっくりと作ることができるようになりました。

苦労したことはありますか?

特にありません。仮縫いしても、仕上がるまでの間に、自分の想像でドンドン変えることができます。もう好きで楽しくて仕方ないので、苦労も苦労とは思えないのです。
素晴らしい生地が送られて来たときなどは、興奮して寝られなくなり、その生地を見てデザインが湧き出てくるほどです。

自分が誇れる、自信のある卓越した技能を教えてください

通常は、デザイナー(その人のイメージでデザイン画を描いてデザインする、仮縫いをする)、パタンナー(パターンをひく)、縫製(縫う)は分業となるのですが、私はひとりで全工程を担当します。これはとても珍しいことです。
デザイン的な洋服、かわった洋服を作ることができます。以前、デニムの生地でステッチを効かせた洋服を上下作ったら、とても喜ばれました。
もうひとつ珍しいのは、紳士服と婦人服の両方を作るということです。日本でひとりだけです。
初めは紳士服を作っていて、その後、婦人服も作るようになりました。婦人服は奥が深くて夢が膨らむので、のめり込みました。
月刊業界雑誌に、テーラーのための紳士服・婦人服の作品と製図を30年近く連載していたこともあります。

ものづくりについて教えてください

ものづくりの魅力を教えてください

「只木さんはいつも楽しそうですね」と言われます。洋服は遊びと夢、そしてお客様は恋人です。好きだから、納得いくまでやらないと気が済みません
当然、お客様によって、生地によって、パターンんは変わります。今までに作ったパターンは数えきれません。
満足して着て、どこに着ていっても自慢できるような洋服を提供しています。デザイン画を描くときは、極端に顔を小さくしたり、スリムな体型にせず、お客様がわかるように描きます。好きなデザインや似合う色を早くキャッチし、その人のイメージや素材の雰囲気を考えてデザインするのです。いちばん初めに描いたものが好まれることが多いですよ。

かわさきマスターに認定されて良かった点を教えて下さい

ここまでやってきた努力を認められたことです。
長年従事する中で、ときには都内で働くというお話もありました。でも、ここ川崎市にいたからこそ、かわさきマイスターの認定を受けた。だから、ここにいてよかったと思います。

後継者を育成するため、何に取り組まれていらっしゃいますか?

いままで弟子は20人くらいいました。一人ひとりはみんな長いです。そのうちの一人が独立しました。
妥協を許さず、全部自分でやってしまうので、後継者を育てる性格ではないと娘には言われます。確かに、一番大事な袖着けは、弟子にやらせたことがなかったですね。

これから「ものづくり」を目指す方たちへアドバイスをお願いします

きっかけを大事にして、そこで好きになったらのめり込めんでください。自分がデザインを勉強したいならデザイン学校に行って勉強する、デザインを勉強したら裁縫のほうを覚える、というように勉強を続けることが大切です。10年やそこらではできません。20~30年続けてください。職種惚れ込んでに、のめり込まないと、腕のいい人は出ないと思います。
中・高生に対して、デザイナーの仕事を見せてあげるような機会を作るのは、我々の仕事ですね。

最後にこれからの活動について教えてください

目標があります。もう一回ショーをやりたいのです。
かわさきマイスター3人と、洋裁店や学生など希望者の作品を交えながらショーをやりたいです。

どうもありがとうございました。
生地の話、デザインの話、ショーの話……好きで好きでたまらないというように、生き生きとお話しくださるので、自然と引き込まれていきました。

川崎市の技能者や職人の皆様を紹介する映像番組「The 職人魂」でも、紹介されました。

【問合せ先】  
服装タダキ

■所在地   幸区古市場1丁目38
■電話    044-511-4684
■FAX     044-533-5066
■営業時間  9:30~18:30
■休み    日・祝