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かわさきマイスター紹介

ものづくり多能工 野浦 惣一さん

ものを作る、そして動かす

野浦さんは機械製品開発の専門家です。開発から製造までを担い、アイディアを形にする熟練の技能を持っています。「川崎ものづくりブランド」認定の「総削りだしゴルフパター」などには、長年身につけてきたメカニクスについての卓越した知識やノウハウが活かされています。
プロフィール
野浦 惣一(のうら そういち)さん

東京出身。小学校2年までを大森で過ごす。その後千葉に移り住み、中学卒業まで過ごす。蛍光灯ができる前の、フィラメントの線を巻いている会社で、住み込みで約3年働く。その後工作機械を作る会社に勤務。昭和の終わりに川崎市に移り、平成18年度かわさきマイスター認定の鈴木貞吉さんさんと知り合う。川崎区在住。サンテック株式会社勤務。平成19年度認定かわさきマイスター。
これは、野浦さんの技能を紹介する動画です。クリックしてご覧ください。

野浦さんについて教えてください

始めるきっかけは何でしたか?

例えば子どもの頃から機械いじりが好きだったとか、ものを作るのが好きだったとか、そういったことは特になかったように思います。生きていくために働き続け、転々としている間に、自然といろいろな技術を覚えてきました。
この会社の機械修理をやっていたのが、この会社に入ったきっかけです。

やっていて一番面白いと感じることは何ですか?

一番面白いのは、完成したときです。
図面通りにキチッと決まり、思った通りに組み立てて、そして動いてくれたとき。その瞬間は嬉しいですね。
そこに至るまで、とにかくできるまでは夢中です。家に帰っても、「明日はこうやろう」と頭の中で考え続けています。

長年、継続して技能研鑽に努めることが出来たのはなぜですか? (他の道に行こうと思わなかったですか?)

若い頃、一度だけ他の職に就いたことがあります。半年位でしょうか。喫茶店でアルバイトをして、コーヒーを作っていたんです。でも、なかなか「いらっしゃいませ」と言えなくて辞めました。
やっぱり機械の方が好きだと思って、だから戻ってきました。
この会社に入り、社長にとてもよくして頂き、お世話になったので、ここまで続けてこられたのだと思います。

苦労したことはありますか?

苦労したという記憶はあまりないですね。
上の学校に進学していれば、覚え方も早かったかなと思うこともあります。当時、夜間学校がありましたが、親方が許してくれませんでした。そういう時代ではなかったんですね。親方の背中を見て、技を盗んで仕事を覚えたものです。
昔はチップなんてないから、ろうを叩いて作っていたんですよ。まずは道具を作ることから始まるわけです。今は材料も豊富で、チップもいいのが出ています。逆に、今の人たちのスピードについていくのは大変です。
機械がプログラム化されて、我々には難しくてできない。逆に若者に我々の仕事をさせようと思っても難しいです。

自分が誇れる、自信のある卓越した技能を教えてください

キサゲ加工(金属の表面を削って平らにしていく作業)は得意ですが、今は機械の精度がいいので、活用の場も少なくなってきました。
中古の機械を再生するのは面白いと思います。動くものが好きなんです。組み立てて、そして動かすのが好きです。
昔は、戦争で焼けた機械を修理していました。とにかく全部外して、もう一度全部組み立てるんです。図案なんてありませんから、分解するときに頭で全部覚えておかないと組み立てられません。
組み立てて動かすときが楽しい
組み立てて動かすときが楽しい
空き缶をつぶす機械を開発
空き缶をつぶす機械を開発

ものづくりについて教えてください

ものづくりの魅力を教えてください

そうですね。ああでもない、こうでもないと、考えているうちが一番楽しいのかもしれないですね。仕上げるためにいろいろ考える。
ただ、ケガには注意をしています。仕事をするときは、順序を自分で決めたほうがいいと思います。

かわさきマスターに認定されて良かった点を教えて下さい

推薦していただいたことに感謝はしていますが、自分から望んだことではないので、これがよかったという実感は特にありません。日々仕事に精進しています。

後継者を育成するため、何に取り組まれていらっしゃいますか?

切削関係の会社なので、組み立てで教えることは少ないのですが、機械はこうなっているんだよという知識を教えてあげることはあります。また、修理を教えることもあります。
若い社員がロボットを作っていて時折相談に来ますので、そういうときは褒めて、そしてノウハウを伝授するようにしています。
ただ、高い技術を身につけるには、本人次第だと思います。石の上にも三年、当人が辛抱しないと上は目指せません。

これから「ものづくり」を目指す方たちへアドバイスをお願いします

自分のやってる仕事を好きになることが一番です。自分で仕事を好きになる。あの人みたいになりたいって尊敬する人が自分にはいましたが、今の若者にはいないのかもしれません。そういう人がいれば仕事も好きになれると思います。夢は、手っ取り早く掴もうとせず、ゆっくり掴んでください。

最後にこれからの活動について教えてください

こういうものを作りたいと言われると、作ることを考えてしまいますね。自分で考えるとかえって難しいことを考えてしまうので進まないのですが、人から言われると考えます。天才じゃないから、地道にやっていかないとね。

どうもありがとうございました。
鈴木貞吉さんと同じ会社ですので、いっしょにお話を伺ったのですが、終始にこやかで暖かい雰囲気でした。工場で組み立てているときは、さらに笑顔がほころび、本当にものづくりがお好きな様子でした。
【問合せ先】  
サンテック株式会社

■所在地      川崎区大川町11-13
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■関連会社 日の出製作所 http://www.hinode-ss.jp/